yumisong
 インスタレーション・アートという映像や音や物語りで空間を構成する現代美術家、ユミソンの日々の制作キロクなど。
わすれな草のエスキース
わしづかみ!展で、ユミソンが出そうと思っていた作品の元となるお話(エスキース)を載せます。3月はわすれな草の開花月です。

企画だから今回はあきらめて、またいつかにしました。
2006に書いたから、来年実現したら5年ごしだから丁度いいや(笑)

>わすれな草
| 信州国際音楽村 | 11:57 | comments(0) | 2010.03.14 Sunday |
展覧会を作るスケジュール(理想)
今回の「わしづかみ!展」はまったくもってこんな風には動いていません!悲しい。次にどうにかしたいとググったら自分のサイトにたどりつきました。前に展覧会をお手伝いした時にまとめたものをもう一度まとめなおし。引用元はこっち。「売れない?展覧会の作り方」http://somosomo.yumisong.net/?eid=918385

■一年前


・運営委員・実行委員発足
目的、誰が何をするのか、代表・副代表・キュレーター・制作などなど

・テーマの設定・おおまかな企画
どんな方向性なのか文書化して、場所をどこにするのか決めて、展覧会の図面を書いて、グループ展なら誰を呼ぶか・何人にするか、オファーなどをして…など、展覧会のベース作りを始めます。タイトルをどうするかで、悩みながらも楽しい時期です。

・会場へのアプローチ
会場が決まっている場合、下見をして、こんな作品を作ろう。あの作品を置こう…といろいろと考えてエスキースや試作を作ります。

・予算の算出
会場費・広告費(DM制作、プレス発送、WEB制作など)・設営費・作品の保険や、運搬費・人件費・記録費・カタログ制作・雑費などー。

・スケジュール
会場・作家の日程の仮押さえ、公募で募っている助成金には締め切りがあるので、早めにチェック。

■半年前


・助成金申請
どの企業にスポンサーシップを頼めばよいのか、公募で募っている助成金を申請するなら、半年前には企画書を提出していないと間に合わない場合がほとんどです。

・企画書の更新
どんな展覧会か、目的はなんなのか、誰が主催なのか、集客はどれくらい予定しているのか、作家のプロフィールなど。企画書の書き方のポイントは、自分の企画が社会や世界にどのように効果があるかを自信をもって発言すること。展覧会の長所をよく見極めること。あと、短所も理解してどのように長所っぽくあしらうか!

■3ヶ月前


・広報、制作開始
DM、フライヤー、ホームページの制作。ということは、DMに載せる作品もできているということです。作品が出来ていない場合は、過去の似たような作品写真を使ったり、イメージ画像を使ったりします。

・プレスリリースの第一弾を発送
プレスリリースは3〜2ヶ月前に月刊誌や季刊誌に発送
2〜1ヶ月前に週間誌やテレビ・ラジオなどのマスコミに発送
1ヶ月〜数週間前には関係者に発送

プレスリリースには、展覧会開催にあたっての意思表示の挨拶を書き、展覧会詳細情報(会期や地図など)、作家のプロフィール、プレス用素材(媒体に載せるときは、この写真を使ってください。)、プレス発表のご案内や内覧会、オープニングパーティーやレクチャーなどのお知らせ…などをDMと一緒に送ります。

プレスの文章の書き方がわからなければ、いろいろな美術館やギャラリーのホームページなどを見ましょう。「プレス用PDF」がダウンロードできるのでパクリましょう(笑)。そのままだと能がないですが、構造はマネできます!

プレス発送の際、「雑誌***、展覧会担当者様へ」というような宛名の書き方だと、編集部をたらいまわしにされるだけで封を開けずに棄てられる可能性もあるので、できれば担当者の名前を書いておくと良いようです。そして、「あ、ここはAさんBさんの2人知ってるけど、同じ場所だから一人でいいや。」と言う場合もありますが、予算的に可能ならちゃんと2人分だした方がよいです。だって、Aさんに出したお手紙はBさんが読む可能性は低いのです。みなさん忙しいので、机を隣同士に並べていても、情報を共有してそうで、個人でしまっているパターンも多いようです。

■1ヶ月前


・コミュニケーションの更新
展覧会場や設置の方法や、人との約束が少しだけズレてきたり、お互いに勘違いしていたり、予定が変更になったり、問題点が浮上したりして、コミュニケーション能力と、笑顔の体力が一番問われる時期です。優しい人が一番あたられる時期ですので、この頃にあたられる人は、「みんな自分を優しい人だと思ってるんだ。」と前向きに、どうか乗り越えてくださいね(笑)。

・作品の進み具合のチェック
作家は思うように作品が出来上がってないのが発覚するのも、この時期です。もしくは、やっと制作に本腰を入れ始めるのかもしれません。あるときは使わないで、無くなると欲しくなるのが時間です。家族や恋人とケンカしたり、時間が足りなくてアルバイトをやめてしまう人もいますが、慣れてくると「あ、また同じパターンだ。」と頭の隅で気がつきます。

・プレスリリースの第二弾を発送
2〜1ヶ月前に週間誌やテレビ・ラジオなどのマスコミに発送
1ヶ月〜数週間前には関係者に発送
運がよければ掲載された雑誌が発売される頃。またはインタビューされたテレビを見て、「あんなこと言わなきゃ良かった。」と必要以上に落ち込んだりている頃です。

・フライヤーを各施設に送付
大きな展覧会だと専門業者に頼んでポスター貼りやDM配送をするようですが、普通は1ヶ月前までには、各ギャラリーや美術館、店舗などに「DM置かせて下さい。」と、スタッフがお願いして周ります。ギャラリーなどによっては「うちの関係者じゃないとダメです。」と断られてしまうこともありますが、「ちっ。」とは言わずに、「じゃあ、あなたが見る分の一枚だけでも受け取ってください。」と笑顔で足を棒にして、銀座や青山あたりをウロウロします。

■2週間前〜展覧会開催!


・設営
設営に必要な機材の手配。同じ会場に複数の作家が展示する場合、設営機材(ドリルや三脚)など足りるか、お互い干渉しあわないかを事前に確認しておきます。
また設営業者や運送会社が作品を扱う場合は、破損や汚れがないか事前にチェックして、何もなくても写真撮影&ノートに書いておきます。後の「傷がついていた」などのトラブルの回避にもつながります。

・パーティの準備
クラッカーとワインだけだから、当日ちょろっと買いに行けばいいでしょ。と思っても、グラスや台所用品が揃っているか、作品に影響がないかの確認をしましょう。

・展覧会前日、内覧会
プレスや関係者むけの内覧会を行います。できれば作家に参加してもらって、アーティストトークなどを行うといいでしょう。

・展覧会初日
初日の朝まで徹也で設置。足りない釘を買い足してオープニングの後に微妙に修正。なんてことがなく、無事に展覧会が始まります。いろんな人と出会ったり、意見を言ってもらったり。「始まったら寝れる…」と思っていたのに、意外と忙しい毎日が過ぎていきます。

■会期中


・記録写真
展覧会の初日までには、または中頃の一番よい感じの時に、記録写真を撮っておくことを忘れないようにします。忙しくて、あっという間に撤収!となってしまいますが、絶対に、記録写真はとっておきます。
事後報告にも必要ですし、作家の経歴のためにも必要。誰かに説明するためにも必要。思い出すためにも必要。必要だらけの記録写真ですが、忙しくて手を抜きがちなのも事実。最近のカメラは性能が良いし、写真なんて誰でも撮れる。と思って兼任にせず、展覧会が始まる前に専用スタッフを確保しておいた方が絶対に後々のためによいです。

・普及啓発、会場管理
展覧会ツアー、監視係りへの作品説明を。プレスがうまく行かなかった場合、事後報告を書いてもらうような企画(アーティストトークやツアー、インタビュー)をがんばります。

■会期後


・搬出
作家が直接搬出する場合はよいですが、設営業者や運送業者が作品を扱う場合は、事前にしておいた傷や汚れのチェックや写真との比較をしておきましょう。
作品の撤去は、作家自身で行ったり、立会いのもとだったり、所属ギャラリーの方が撤去しに来たりと色々ですが、搬入した時と同じように梱包して作品を返却します。壁に空いた穴は、パテ等で埋めて現状復帰です。

・機材の点検
照明や音響、工具などの点検をします。開催前と数があっているか、破損などがないかのチェック。借りているものを間違えてもって帰ってしまったり、逆に置いてきてしまったり、誰が無くした、壊した、どうしたと、問題にならないようにします。細かいですが、細かいだけにお互いに気になる所。

・作家さんやスタッフへの挨拶
メールや対面の挨拶、挨拶状などその時々に応じたやり方で。
菓子折りを持っていくほど大げさにしなくても良いと思いますが、ばたばたと大変な時を一緒に過ごしたのと、自分も大変なので相手のことがわからなくなっているので、少しクールダウンや俯瞰して現状を見るためにも、忘れないうちに気持ちを言葉にしておきます。挨拶をしていると、いろんな人が関わっているのが改めてわかったり、人がどんな風に動いていたのかがわかります。

・記録の整理
会期中に行われたシンポジウムやトークショーの記録映像のテープおこし、記録写真の整理など。次回に何かする時、「自分はこんな展覧会をやっていたんだ。」と説明でき、これからすることを理解してもらいやすくなります。

・領収書の整理
項目別に分けてエクセルでまとめておくと、後で何か言われた時に確認しやすいdeath。

・協賛や助成をしてくれた企業や団体への事後報告書の作成
領収書をまとめたものや、開催のチラシや記録写真をまとめたもの、集客人数などを報告。「よい展覧会ができました。次回もお願いします。」という意味もあります。

・カタログの制作
どんな展覧会だったか、テーマを改めて思い出して構成をしていきます。いろいろな展覧会のカタログや雑誌をみて構成を真似するのもいいかもしれません。
| exhibition.workshop | 16:30 | comments(0) | 2010.03.13 Saturday |
小さな山の上の展覧会:1


■なんでユミソンがこの企画に関わってるの?

「わしづかみ!展」開催にあたり、よく聞かれるので個人的な信州国際音楽村と係わり合いになった経緯を書こうと思います。

270度のパノラマビューから蓼科山から浅間山まで一望できる信州国際音楽村は、長野県上田市の東の小高い山の上にあります。私がこの施設と関わることになったのは、ふとした偶然からでした。当時知り合いだった音楽プロデューサーがこのホールでのコンサートを開催した際の依頼で、すいせんが咲き誇る2007年春に『精霊あるいは反響現象』という作品をインストールしたのが始まりです。私はこじんまりとした柔らかい木造ホールを気に入りながらも、展覧会終了後は積極的に関わることもなく時間が過ぎていきました。

翌年の2008年夏、館長から突然の電話がありました。「音楽村で今後アートを発信していきたい」。コンサートやライブでは見せられない文化発信をアートを通して広く行えないかと「こだまの森クラフトミュージアム」構想が立ち、何本か展覧会を組み立てていく中で『オブジェ展』というグループショーに私も参加させていただきました。ミュージアムと言ってもログハウスの研修センターを展覧会場に見立てただけの空間でしたが、音楽村からアートを発信したいという強い思いを館長やスタッフの樋口さん理事の矢口さん、(今は辞められてしまった)原さんから聞いていく内に私も徐々に信州国際音楽村に関わるようになっていきました。

そして2009年夏、館長の考えの軸にある「子ども」が育ってゆける施設を目指し本格的なアートを発信しようという話が持ち上がり、その最初の実験的な展覧会の組み立てを特に長野出身やゆかりのあるアーティストでもなく肩書きや権威もない私に、展覧会を進めていく中でつちかった「信頼」という書面に落とし込めない価値で任せてくださいました。館長やスタッフの方々に大変感謝しています。本当にありがとうございます。

そういった経緯で「音楽施設でのアート」に関わることになったのですが、様々な人たちからのアドバイスでよく耳にしたのが「地域系アートプロジェクト」への指南でした。「地域系アートプロジェクト」とは、新潟の越後妻有トリエンナーレに代表されるような地域に根ざしたアートプロジェクトの事を指します。地域に根ざしたアートプロジェクトは以前からありましたが、2000年代は日本中で様々なアートプロジェクトが開催された10年でした。

■地域系アートプロジェクトの是非

日本中で行われている地域系のアートプロジェクトは、地域住民と部外者であるアーティストとの間に生まれるコミュニケーションからものの見方が変わった・来場者が訪れ地域が活性された・時にはアーティストがその土地に移り住んだと喜ばれるケースもありますが、一方で過疎化や経済不況の最後の切り札のように開催された場合、理解しづらい・会期終了後はまた過疎に戻る・即時性や費用対効果の無さに疑問の声が上がります。また地域コミュニティーの円滑や祭り的イベントで多数の来場者を望むような「安心安全な興行的催し」はアートといえるのか、と言った声も聞きます。

今回企画を進めていく中でも、その土地にアートは不必要なのでは・費用対効果が良くない施設や企画は無くしてしまった方がよいのではなど等、辛らつな意見も頂きました。これは長野県や信州国際音楽村に限った話ではなく、地域系アートプロジェクトが飽和した日本全国のいたる場所や施設に当てはめられる、よく耳にする意見でもあります。

と言ったところですが…つづきは、また。
| 信州国際音楽村 | 11:25 | comments(0) | 2010.03.13 Saturday |

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